旧版地図で見る内林町の神社・地蔵・石神

内林町の旧版地形図
出典:旧版二万分一地形図 園部 明治四十五年(国土地理院)をもとにaralagi作成

 

 上図は明治45年発行の旧版1/20000地形図です。内林とあるのが、江戸時代の今林村、内林垣内とあるのが垣内村になります。内林垣内の鳥居記号は鎮守の八幡神社です。八幡神社は前方後円墳の丘の上に建っていた神社ですが、地図に見える神社の縁をカーブした道は、後円部の曲線をなぞってつけられていたようです。今林の集落の後方に広がる平山丘陵には弥生時代から古墳時代にかけての遺跡が数多く存在しています。

 地図で黄色に塗った道は園部から若狭へと通じる旧若狭街道です。現在では内林集落の中心を大きな府道が突っ切っていますが、明治時代にはこちらが主要道だったことがわかります。更に古くは、古墳の後円部の裾をめぐる道を経て若狭へ向かう古道があったとも伝えられています。

 地蔵・石神は場所が動きやすい性質があるので正確なところは不明ですが、現在祀られている位置を見ると、かつての集落の外れに位置しているように見えます。よくある例ではありますが、内林町でも村の入り口がお地蔵様の定位置なのかなと思います。

南丹市の地蔵・石神1(園部町内林町)

  今林の集落の外れに祀られています。(旧版地図 A位置) 格子戸の中に祀られていましたが、穏やかな表情のお地蔵様でした。

南丹市の地蔵・石神1
今林の集落の外れのお地蔵様

南丹市の地蔵・石神2(園部町内林町)

 内林集落の東を流れる陣田川にかかる橋のたもとに祀ってありました。(旧版地図 B位置) 一見、「なんでこんなところに?」という場所に祀られていますが、この場所は、かつての集落の入り口、また、旧若狭街道にかかる橋のたもとでもあります。前掛けをしてもらっていますが、祀られているのは五輪塔でしょうか? 五輪塔やその一部パーツがお地蔵様のように祀られているケースはよく見かけます。元々は付近にあった善願寺の遺物なのかもしれません。

南丹市の地蔵・石神2
陣田川の橋のたもとのお地蔵様?
 
陣田川
陣田川

南丹市の地蔵・石神3(園部町内林町)

 八幡神社から続く古い道沿いにある大きなお宅の門塀の前に祀られていました。(旧版地図 C位置) 整えられた敷地に建つ立派な祠ですが、この家の方が管理されているのでしょうか。誰でもお参りできるように解放されていますが、個人で祀られているものなのかもしれません。

南丹市の地蔵・石神3
整えられた敷地とお地蔵様の祠

南丹市の地蔵・石神4(園部町内林町)

 八幡神社の交差点付近の府道沿いのお地蔵様です。個人宅の塀と一体化するように祀られていました。こういう個人宅の敷地に入り込むような形で祠があるケースも時々見かけます。道路整備などで集落の様子もすっかり様変わりしたはずですが、変わらず大切に扱われてきたのだと思います。

南丹市の石神・石仏4
府道沿いのお地蔵様

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