日吉神社(園部町新堂)
園部町新堂の日吉神社です。祭神は大山咋命。『船井郡神社誌』によると、「天文三年(1534年)に近江国日吉神社(元官幣大社)の若宮を勧請した」と記載されています。ここでいう若宮とは本宮(日吉大社)の分霊を新たに勧請した新宮の意味と思われます。江戸時代に書かれた『寺社類集』にも、「新堂村 産土 山王大権現」と記載されており、創建以来、新堂地区の鎮守社として今でも変わらず崇敬されています。
境内には「日吉神社のご神木の由来」と題して、以下のような内容の掲示がありました。
正徳3年4月(西紀1717年)、近江国 坂本に御鎮座まします日吉大社のご神木 栃ノ木の御分樹を当地住民が拝受し、当社の御本殿の東側に植樹され、更に昭和11年4月 (西紀1937年 )、九州筑紫国 大宰府に御鎮座まします天満宮のご神木 楠ノ木の御分樹を当地住民 内藤敬太郎が拝受し、当社の御本殿西側に植樹し、爾来、当社御本宮の東西に御生立樹する由緒厚いご神木であります。
新堂地区の集落の中央にあって、南に面した明るい境内地。社前には田植えを終えたばかりの水田が広がっていました。本殿彫刻や屋根瓦など、猿を神使とする日吉神社らしいモチーフも随所に見られます。ご神木の栃ノ木の下に厳島神社・西宮神社・八幡神社・橿原神社の四社相殿の境内社、他にも不明の小祠が3社祀られていました。 『寺社類集』には末社として八幡宮社、蛭子宮社の記載があります。