大国玉神社(園部町新堂)
園部町新堂の大国玉神社です。祭神は大国玉命。『船井郡神社誌』によると、神社に残る棟札に「干時 延宝七巳末四月二十一日正遷宮 社僧阿闍梨権大僧都宥養 大将軍王宮造立し奉り云々」と書かれており、江戸時代 延宝七年(1679年)の創立であることがわかります。江戸時代に書かれた『寺社類集』には、「岡田村 産土 大将軍社」とあり、明治以前には大将軍社と称していました。大将軍とは聞きなれない神名ですが、陰陽道で祀る方位の吉凶を司る神の一つで、平安遷都の際に王城守護のため都の四隅に祀られたものが有名です。現在ではあまり馴染みがありませんが、『寺社類集』 には、この辺りの村落には必ずと言ってよいほど「大将軍社」や「大将軍森」の記載があり、かつてはとても身近に祀られていた様子が伺えます。小祠や無祠の場合が大多数で、残念ながらそれらのほとんどが現存していませんが、今でも地名などにその痕跡を残しています。当社に関しても、立派な社殿が建てられるずっと以前より、小さな祠、あるいは、無社の杜のような形でこの地に祀られていたのではないでしょうか。
集落奥の石段を登った先にお堂と社殿があります。本殿へと続く石段の両脇にはひょうきんな表情の狛犬。境内には愛宕神社・八坂神社の二社相殿の小祠、参道の石段脇に井戸があり、ほとりに小祠が祀られていました。お近くにお住いの方に聞くと、水の神様とのこと。今は園部町新堂で一つになっているが新堂と岡田は元々別の集落だったこと、新堂は内藤一族、岡田は山下一族で清和源氏の子孫ということをお話下さいました。