一原大明神(園部町曽我谷)
園部町曽我谷の一原大明神です。曽我谷の谷奥にある宮ノ谷という場所に鎮座。鎮守の一原神社の旧社地にあたり、今でも現地に御神体とされる露岩と小さな祠が残されています。社伝によると、古くはこの場所に社殿を建てて祀っていたようですが、享保年間(1716~1736年)に火災に遭い消失。その後、人々の参拝の便宜を図るため、当地から曽我谷の谷の入り口にあたる現社地(八幡宮が祀ってあった場所)に再建遷座したと伝わっています。『我がふるさと曽我谷』によると、一原大明神のご神体は2つの大きな露岩で、手前の岩が伊邪那岐命、上の岩が伊邪那美命と考えられているそうです。
曽我谷の谷奥にある上土井地区に祀られているのですが、周辺をうろうろするものの場所が全くわからず、地元の方に案内していただきようやくたどり着くことができました。小さな沢に沿って谷を進むと露岩の上に鳥居とお社。岩の上に建っている祠が一原大明神で、傍らの小祠が秋葉大権現になります。少し離れた斜面の上にもう一つ大きな岩があり、こちらが伊邪那美命とされるもう一方の御神体だと思われます。周囲は岩だらけの場所という訳ではなく、何の変哲もない山の斜面に御神体とされる2つの露岩のみが存在していて少し神秘的な雰囲気があります。集落を潤す水源の谷奥に不思議な露岩を見出し、そこを祭祀の場として氏神を斎き祀ったのが一原神社の始まりだったのだろうと思います。