住頭神社(園部町高屋)

南丹市園部町高屋の住頭神社

 

 園部町高屋の住頭神社です。祭神は高屋阿波良姫命、伊香色謎命。『大堰の流れ』によると、創立は天治二年(1125年)、あるいは元慶六年(882年)と伝えられています。集落内の塚の上に祀られた小さな祠ですが、園部町域でも古い由緒を伝えていて、当地の名族である高屋氏の奉斎した神社として知られています。かつては高屋氏の広大な敷地内にあって、欅の茂る神社の杜は住頭の宮と謳われていたそうです。

 高屋阿波良姫命(タカヤアワラヒメ)、伊香色謎命(イカガシコメ)は物部氏と関係深い御祭神で、日本書紀及び先代旧事本紀によれば、高屋阿波良姫命は物部氏遠祖 大綜麻杵命(オオヘソキ)の妻で、伊香色謎命はその娘。(兄は伊香色雄命) 伊香色謎命は開化天皇の后となり崇神天皇の母となる女性です。この二柱を祀る神社は全国的にもそれほど多くはありませんが、『大堰の流れ』には「口碑によると、この地に住んでいた阿波良姫、伊香色謎姫等の怨霊(御霊)をしずめるため建てられた」とその由緒が記されています。口碑の内容をそのまま史実とするのは困難かと思いますが、ご祭神が女神とされている点や御霊と認識されている点などは、祀られている神の性格の一端を表しているものと思われます。おそらくは、当地の地主神、開拓の祖神を祀ったものなのでしょう。ご祭神は当地の地名である高屋からの付会だと思いますが、高屋集落の後方の蟠根寺城に拠って当地を支配した蜷川氏は物部氏の後裔を称しており、何らかの関係があるのかもしれません。

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集落内の小さな塚の上に建つ
集落内の小さな塚の上に建つ
 
小さいながら整えられた境内
整えられた境内
 

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