八幡宮(園部町船阪)
園部町船阪の八幡宮です。祭神は品陀和気命。江戸時代に編纂された『寺社類集』の船阪村の項に「八幡宮社 ※ 以八幡宮称南組之産神」と記載のある神社で、現在も船阪地区の鎮守として変わらず崇敬されています。創祀の年代は不明ですが、『船井郡神社誌』には、「もともと村内の字 制札に祀られていたものを明和元年(1764年)に現在地へ遷して氏神とした」と記載されています。
当地は延喜式内 摩気神社と関係が深く、八幡宮を氏神とする以前は摩気神社の直氏子であったと伝えられています。現在も摩気神社の祭祀において重要な役割を担っており、10月に行われる摩気神社の例大祭(神幸祭)では船阪地区にある御旅所に神輿の渡御があり、船阪の流鏑馬稚児および神役達が隣村仁江集落の入口まで神輿を出迎え、御旅所まで同行しています。(以前、横田の若宮神社が祭りに参加していたときは、同じように若宮神社の神輿を途中まで出迎えていたといいます) 仁江と船阪の稚児が木馬に乗って行う流鏑馬は神幸祭の最後を飾るハイライトにもなっています。
船阪集落の南の外れ、九品寺の境内に隣接して鎮座しています。九品寺は弘仁元年(810年)に弘法大師により創建されたと伝わる名刹で、末寺の胎金寺は摩気神社の別当寺としてその祭祀に深く関わっていました。八幡宮は九品寺の観音堂から続く参道の先にあり、石造りの鳥居をくぐった先に苔むした境内があります。拝殿を挟んで反対側にも木製の鳥居があり、どうやら麓の集落から直接続く別の参道もあるようです。境内は高台にあり、船阪の集落だけでなく、少し離れた黒田や大西の集落、本梅川に沿った田園風景を眼下に望むことができます。境内には天満宮と厄神の二つの小祠が祀られていました。