水天宮(園部町若松町)
園部町若松町の水天宮です。祭神は天御中主神、安徳天皇、建礼門院、平二位の局で、稲荷大神と保食神を併祀しています。『図説 園部の歴史』によると創祀は慶応三年(1867年)八月で、園部村支配の河原を借り受けて祀ったものと伝えられています。園部の城下町は元和五年(1619年)に初代藩主 小出吉親が入部したのち、陣屋(城)とともに町場を整備したことにはじまります。その際には、現在の国道9号線沿いを東流していた園部川を北側に湾曲迂回させて町域を拡大させる工事も行われ、最終的に園部陣屋の北側に宮町、本町、上本町、新町、裏町(若松町)が、南側に大村町が整備されました。元文五年(1740年)に記された『寺社類集』の裏町の項に水天宮の記載はありませんが、当社には、「初代藩主 小出吉親が園部川を北に振り城下町を形成した際に城郭の守護として園部川堤防上に創建した」という言い伝えもあるようです。水天宮は水神信仰・母子信仰に基づく神社として知られていますが、当社も安産と子供の守り神、水火難除け、また、水商売の守護神として変わらず崇敬されているようです。
園部川にかかる常盤橋の近く、住宅や商店の立ち並ぶ園部の市街地に鎮座しています。 小さいながらよく整備された気持ちの良い場所です。境内の木々に咲いた花の蜜を求めてミツバチが忙しく飛び交っていました。拝殿前に本光大明神と彫られた石柱、社頭の鳥居の脇に福ちゃんという河童の像が祀られていました。