稲荷神社(園部町上本町)
園部町上本町の稲荷神社です。祭神は御崎大神、明月大神、倉稲魂命。『船井郡神社誌』によると、慶応元年(1865年)四月十三日、新たに社殿を建てて園部藩主小出氏の守護神であった明月大神を迎え、同年五月二十二日、京都より御崎大神を迎えて合祀。明治初年、小出氏が東京へ移った際に両大神は当地へ遺され、以後は上本町の崇敬者申し合わせて奉仕することになったと伝えられています。元々は園部川の堤防上に祀られていたようですが、明治四十一年、生身天満宮の御旅所でもある現在地に再建遷座されました。園部の城下町は初代藩主 小出吉親が園部川の流れを北側に迂回させる大普請の末に整えられたものと考えられていますが、当社はその時築かれた堤防守護のために祀られたという言い伝えもあるようです。そこに幕末になって小出氏ゆかりの稲荷二神を合わせ祀ったのが当社ということになるのだと思います。
園部川にかかる橋の手前、国道9号線に面してバスのロータリーになっている広場があり、そこに当社が鎮座しています。大きな広場に朱色の鳥居、聳え立つ樹木と小さいながら良く目立つ神社です。この広場は生身天満宮の御旅所でもあり、天満宮の秋祭りでは神輿の渡御と神事が執り行われるそうです。社殿の前に神使の狐が一対。神社玉垣前には古い道標が建っています。元々は園部城下の札之辻と呼ばれる場所にあった道標のようです。