弁財天社(園部町口司)
園部町口司の弁財天社です。創祀の年代や由緒は不明ですが、『園部町における民俗信仰伝承』の「弁財天信仰」という項に「(園部)町内神社の内、同系統の神を祀る神社で、その頻度の多い神社に天満宮(20社)・厳島神社(19社)がある」とあり、園部ではよく祀られている神社であることがわかります。江戸時代に書かれた『寺社類集』は園部藩下の神社・寺院についてまとめられたもので、亀山藩領だった口司地区の状況は記されていないのですが、周辺の村々には弁財天社や弁財天森の名が頻繁に見られ、昔から身近に祀られていた様子が伺えます。なお、当社のことを指しているのかは不明ですが、『園部町における民俗信仰伝承』には町内にある弁財天社の所在地として「口司 鏡神社内 弁財天社」の記載があります。もっとも、鏡神社の参道の突き当りに不明の小祠が祀られていますので、そちらのことを指しているのかもしれません。
鎮守の鏡神社が所在する谷の入り口、集落の外れにある森の中に鎮座しています。静かな森の中の小さな社ですが、お堂も石灯篭も立派なつくり。境内からは谷の奥へと更に道が続いていて、途中にはお地蔵様を祀った祠もあります。現在は弁財天社の前の広場に石灯篭(御神燈)があり、そこから鏡神社まで車道が通じていますが、昔はこの山道が神社へと続く道だったのかもしれません。