西山八幡宮(園部町大西)
園部町大西の西山八幡宮です。祭神は品陀別命。園部町大西は大坪村と西山村が合併して誕生した地区になりますが、江戸時代に書かれた『寺社類集』の西山村の項には「産神 八幡宮」と記載されていて、当社が西山村の鎮守として祀られていたことがわかります。
『ふるさと大西』によると創祀の年代は天永三年(1112年)で、後三年の役に敗れた清原氏の一族が奥州を逃れて丹波に下り、この一族が氏神として当社を祀ったものと伝えられています。天文十九年(1550年)再建。なお、当地に隣接する宍人には宍人城に拠って中世・戦国期に活躍した小畠氏がおりました。室町時代に北野天満宮の荘園である船井荘の荘官として当地一帯に勢力をもった一族ですが、この小畠氏が後三年の役で源義家に討たれた清原武衡の後裔を称しています。鎮座地周辺には小畠姓が多く見られますので、おそらく当社を奉斎した小畠一族の伝承が神社の社伝として伝わっているものと思われます。また、『船井郡神社誌』によると、往古は摩気神社(式内名神大社 麻氣神社)の直氏子であったとされ、摩気神社の分社であるとする言い伝えもあるようです。当社は古くより摩気神社との繋がりが強く、摩気神社を総鎮守とする摩気郷十一ヶ村のうちの一社として例祭にも参加しています。
大西集落の南の外れに鎮座しています。鳥居をくぐった境内の先に石段があり、本殿は小高い丘の上に建っています。石段の両脇の整えられた植栽が見事ですが、所々、斜面を覆うような露岩も目につきます。これが磐座と呼べるものかどうかは不明ですが、祀りの場として気になる丘です。石段途中には山王社・塞神社・厄神社の三社相殿の境内社があります。